ヒヌカン・トートーメー十二カ月
1月
・正月〈旧・新1月1日〉
・ハチウクシー(初起し)〈旧・新1月2、3日頃〉
・ヒヌカンの迎え日(サカンケー)〈旧1月4日〉
・トゥシビー(生年祝い)〈旧1月2日〜13日〉
・七日節句(ナンカヌシク)〈旧・新1月7日〉
・ジュールクニチー(十六日)〈旧・新1月16日〉
・二十日正月〈旧・新1月20日〉
2月
・屋敷の御願(ヤシチヌウグワン)〈旧2月1日〜10日頃〉
・二月ウマチー〈旧2月15日頃〉
・彼岸〈新3月20日前後〉
3月
・浜下り(ハマウリ)〈旧3月3日〉
・シーミー(清明祭)〈新4月5日から〉
5月
・ユッカヌヒー〈旧5月4日〉
・グングヮチグニチ(五月五日)〈旧5月5日〉
・五月ウマチー〈旧5月15日頃〉
6月
・六月ウマチー〈旧6月15日頃〉
・六月カシチー〈旧6月25日〉
7月
・七夕〈旧7月7日〉
・お盆〈旧7月13〜15日(16日)〉
8月
・トーカチ(米寿)〈旧8月8日〉
・ヨーカビー(妖怪日)〈旧8月8日〜11日〉
・屋敷の御願・シバサシ〈旧8月10日頃〉
・十五夜(ジューグヤ)〈旧8月15日〉
・彼岸〈新9月23日頃〉
9月
・カジマヤー〈旧9月7日〉
・菊酒〈旧9月9日〉
10月
・カママーイ(竈まわり)〈旧10月1日〉
11月
・トゥンジー(冬至)〈新12月20日頃〉
12月
・ムーチー(鬼餅)〈新12月8日頃〉
・屋敷の御願(ヤシヌウグァン)〈旧12月24日頃〉
・グワンブトゥチ・ヒヌカンの昇天〈旧12月24日〉
・トゥシヌユールー(年の夜)〈旧12月30日・新12月31日〉
知っておきたいミニ知識
ウコー(御香)について
フィラウコー(平御香)、シマウコー(島御香)、クルウコー(黒御香)、ファーウコーとよばれる6本の線香を並べてつないだ黒い短冊状の線香は、沖縄独特のもの。
フィラウコーには、行事や祈願する内容により供える本数に決まり事がある。
【フィラウコーの本数と意味・・・一例】
1枚(チュヒラという)を6本、1枚を半分に割ったものを3本と数える。
ア.3本...天地人、あるいは天神・地神・龍宮神を表す。自分自身のあいさつの意味で用いることが多い。※日本では、3本の線香は三宝や三世の意味である。
イ.12本...十二支、あるいは1年(12ヶ月)を表す。年中行事で用いることが多い。
ウ.15本...12本に自分の分(3本)を加えたもの。祈願ごとに用いることが多い。
行事の内容や祈願の対象、供える人などによって、供えるべき御香の本数は決まっているとされ、このような本数のとりきめをコーブンという。また、17本や24本など、主にユタやウグヮンウサギヤーなどが、さまざまな意味づけをして使うコーブンもあるが、いずれも一般的ではない。
その他、ウコーに関する言葉には、次のようなものがある。
・フトゥチウコー...フィラウコーを2本ずつに割り24本に束ねたものと3本。(願掛けに使う本数とされる)
・トゥチウコー...フィラウコーを1本ずつに割ったもの。那覇地域などで葬儀の日から四十九日まで供えた。
・フィジュルウコー...火をつけないで供えるフィラウコー。カー(井泉)や御嶽などに供えるウコーは火をつけないのが習わし。(最近はこれを知らず火をつける人が多い)
シチグヮチ(盆)などには、竹ひごの芯がある中国製の線香(カバウコー、チクシンウコー)を使うことも多かった。近年では本土産の線香も使われ出し、葬儀では抹香の使用が多い。「御香どぅ孝行」(香を手向けることこそ先祖への孝行である)という先祖崇拝を進める古いことわざもある。
ウコールについて
ウコールとは香炉のことで、仏壇や神棚、拝所などで御香を立てて供えるための道具。焼物が多く使われているが、金属製や石製等もある。現在沖縄では一般的に次のような色柄による使い分けがされている。
○白の文様なし...火ヌ神
○青の文様入...祖霊(家庭の仏壇)
○白の文様入...祖神(門中宗家の神棚等)
○金色...御観音などの神仏
青は死者の魂が戻るとされるニライカナイ (海)の色。白はけがれのない神の色などと説明されているようだが、いずれもごく近年盛んにいわれるようになったもの。
戦前までの古いウコールをみると緑や茶、黒、白などさまざまな色があり特に色や柄が決まっていた様子はうかがえない。
ちなみに、現在沖縄で一般的に使われている青や白の磁器のウコールは実は県内製ではなく、主に愛知や岐阜などで生産されている。
なお、ウコールには3本足のものが多いがこの場合1本の足が正面を向くようにするのが正しい置き方。